僕の生まれた事実

皆さん知っての通り、僕は生みの親に捨てられた、いわば捨て子というやつだ。育ての親は相当クレイジーだが僕を社会で働けるくらいにはきちんと育ててくれた。感謝しているが、自分が捨てられたという事実はいつまで経っても捨てられない。生みの親の名前も…

わかば

僕の女友達は、タバコを吸う。銘柄はいつも決まってわかばだ。年寄りのおじさんしか吸うイメージがない人も多いだろうが、彼女はいつも不機嫌そうにタバコを吸い、ため息をつくように煙を吐き出す。まるでタバコを好きで吸ってるわけではなさそうに。 「タバ…

クリスマスイブのイブのこと④

そう、それで僕たちはそれから会うこともなかったんだ。見送りにも行かなかった。出立日も聞いてなかったしハルから連絡も来なかった。ただ僕の頭の中にはハルのあの気丈な、しゃんとしたあの姿がずっと張り付いていて離れなかった。色んな女の子とキスをし…

クリスマスイブのイブのこと③

僕は、多分こんな日が続いていくんだろうなって思ってた。ハルは2人でお花見に行って、夏は2人でベランダでアイスを食べて、秋は栗拾いに行って、冬は2人でコタツに入って、そんな風に一年が過ぎた。出会った頃、僕は高校生でハルは大学生。付き合った頃、僕…

クリスマスイブのイブのこと②

どこまで書いたかな、そうだ、友達になったところだったかな。 ハルはもう就活を終わらせていたし、僕も暇を極める学生ということもあり、2人で遊ぶ時間は増えていった。共通の友達もいないので、会うときは必ず2人になる。2人とも映画が好きだったから、い…

クリスマスイブのイブのこと①

12月23日、クリスマスイブのイブに僕は元彼女と会う約束をしていた。この元彼女のことを、まず説明する必要があると思うので、これからつらつら書いていく。 この元彼女(この先はハルと呼ぶことにする)は僕が学生時代に付き合っていた年上の彼女である。4歳…

なんだこれ

クリスマスのイルミネーションが燦然とする12月に、君は死んだ。 新宿ルミネ前、最近新しい建物が出来たその目の前の交差点で、君は赤信号を堂々と渡り、僕の前で白いスポーツカーにはねられて死んだ。あんまり赤信号を堂々と渡るものだから、君のラストラン…

結婚願望

僕には兄がいる。会社の関係で地方にいる兄とはたまに連絡を取り合う。それはお互いの生存確認だったりするのだが、昨日はもっぱら無駄話だった。 僕にも兄にも本当の親はおらず、僕と兄も血が繋がってはいない。ただお互い10歳に満たない頃に兄弟になったた…

良薬口苦

数日前から、僕は微熱に浮かされている。病院に行くほどでもないため、ベッドと冷蔵庫を行き来する生活を2日ほどしている。退屈に殺されるってこういうことか、なんてぼーっとしながら思う。 熱っていうと、僕はやっぱり女の子に看病してほしいという欲が湧…

徒然言葉

何故ツイッターをやっているにも関わらず、ブログを始めてしまったのか。自分でも甚だ疑問ではあるが、たまに140字という縛りに書ききれない思いがふつふつと沸き上がったりするので、それらを吐き出すためのコンテンツとして、ブログをやってみようと思う。…